我々は音楽という名の共通の母を持つ兄弟である。そして彼は音楽そのものである。
― ディノ・サルーシ/バンドネオン奏者
Amazingだ!こんなシンプルな楽器からどうやったらこんなに複雑な音が出せるんだ?
― グスタボ・サンタオラージャ/ミュージシャン、アカデミー賞受賞作曲家
私がこれまで出会った全ての演奏家の中で、一番凄い、とんでもないプレーヤーだ。
ケーナというアンデスの民族楽器の域を超えているなんというものではない。
ハインツ・ホリガーがオーボエにもたらしたのと同じような楽器の概念の革命を起こしてしまう演奏家。まさしく規格外の才能。
― 笠松泰洋/作曲家
《プロフィール》(2024 年9月更新)
岩川光(いわかわ ひかる)
1988年4月8日生、青森県弘前市出身。ケーナ奏者、作曲家、マルチ楽器奏者。
8歳の終わり頃からケーナを吹き始め、12歳より演奏活動に入る。同時期にモダン及びバロックのリコーダーを修め、10代を通して作曲や指揮法も学ぶ。
また2歳半から空手道を修め、10代半ば以降はその他の様々な武術にも関心を持ち、独自の視点で探究。
さらに大学では文化人類学、哲学、美術史、考古学、音楽学などの広い分野を学際的に学ぶ。
こうした知見と技術、経験を活かしながら、前人未到と評される独自のケーナ奏法を開拓し、この楽器のこれまでの概念を覆すような演奏や音楽制作を展開する。
2008年から現地の音楽調査や演奏活動のためにボリビア、エクアドル、チリ、メキシコ、コロンビアなどのラテンアメリカ各国への旅を始め、2013年からはブエノスアイレスに拠点を置く。
中南米やヨーロッパを中心に音楽祭への出演、ツアー公演、ディノ・サルーシ、故ハイメ・トーレス、故ホルヘ・クンボ、キケ・シネシら世界的巨匠との共演、ゲスト・ソリスト兼コンサートマスターを務めるバロック・アンサンブル「カペラ・メディテラネア」との南米バロック音楽プロジェクトなどを通じて、幅広い分野で国際的に高い評価を得る。
主宰レーベルから数多くの録音作品を発表。その内容は1人の音楽家によって生み出されるものとは信じがたいほどバラエティに富み、それぞれが国内外の専門誌で年間ベストに選出されるなどの好評を得る。
常に世界規模で複数のプロジェクトを展開。近年はテレビ番組(NHK大河ドラマ「光る君へ」、NHK朝ドラ「スカーレット」、NHKスペシャル「人類誕生」など)や舞台作品の音楽録音を通じ、日本のお茶の間でもその音を耳にする機会が増えている。
現代の作曲家との協働、古代楽器の演奏復元、ケーナ製作家として新モデルの開発など、その活動は多岐にわたる。また中南米を中心にマスタークラスの開講も多い。
2020年、新型コロナ・ウイルス・パンデミックにおいても意欲的な制作を続け、『Baroquena』、『Homenajes』の2枚の無伴奏ソロ・アルバムを立て続けに発表。8月には帰国を余儀なくされるも、ケーナ工房『CACHI』をオープンさせ、本格的な楽器製作活動も始動。
2022年1月には、クラシック演奏家の登竜門として名高い東京オペラシティ主催の名物企画『B→C』にケーナとしては史上初の出演を果たし、各方面より惜しみない賞賛を得る。
アルゼンチン音楽における人間国宝とも呼ぶべき3人の音楽家=故ラモン・アジャラ、チャランゴの故ハイメ・トーレス、バンドネオンのディノ・サルーシからは絶大な信頼を得て共演を重ねてきた。そのなかでも故ハイメ・トーレスのグループ史上初の非南米人メンバーにして最後のケーナ奏者を務めたことは特筆に値する。
2023年、3年ぶりのアルゼンチン・ツアーでは、出演したラジオ番組等で「ケーナのメッシ」「ケーナにおける唯一無二の革命者」と評され、ほぼ全公演満席、多くの会場でスタンディングオベーションとなった。
現在は日本、アルゼンチン、ヨーロッパの3 拠点を飛び回る活動展開を改めて推し進めている。
《公的文化事業関連》
・文化庁 2018年度文化交流使(笠松泰洋氏)の南米全ツアーのコーディネート、通訳、作曲及びソリスト
・ブエノスアイレス市ジャズ・フェスティバル出演
・マール・デル・プラタ ジャズ・フェスティバル出演
・エクアドル 世界音楽祭出演及びキト国立劇場付き特別ソリスト
・スペイン ギホン文化祭出演
・スペイン カタルーニャ伝統音楽祭出演
・メキシコ 国際ケーナ・フェスティバル(メイン・ゲストとして演奏及びマスタークラス) 他
《主なソリスト実績(ソロ公演/オーケストラ共演)》
・東京オペラシティ リサイタルホール(ケーナ/諸外国の民族楽器としては史上初の『B→C』)
・コロンビア 国立博物館ホール(ソロ・リサイタル2回)
・エクアドル スクレ国立劇場(ケーナ協奏曲世界初演)
・パリ ラジオ・フランス オーディトリウム(古楽アンサンブル「カペラ・メディテラネオ」のソリストとして)
・ペルー リマ市立劇場(ペルー&日本国交110周年記念 ケーナ協奏曲などのペルー初演)
・アルゼンチン ブエノスアイレス ウシーナ・デル・アルテ(多数回)
・アルゼンチン ブエノスアイレス キルシュネル文化センター(多数回)
・マール・デル・プラタ コロン劇場 他
《主な特別講義/ワークショップ実施実績》
・アルゼンチン国立二月三日大学「音楽創造、新技術、伝統芸術」修士課程マスタークラス
・ルイス・ジアンネオ高等音楽院マスタークラス(アルゼンチン コルドバ州)
・コロンビア クンディナマルカ県フンサ文化センター(オーケストラ特別指導)
・アルゼンチン ビジャ・マリア大学(音楽専攻学生向け特別講義)
・エクアドル キト市スクレ国立劇場(現地プロ奏者向けマスタークラス)
・エクアドル UDLA大学音楽学校(マスタークラス)
・メキシコ 国際ケーナ・フェスティバル(現地プロ奏者向けマスタークラス)
・アルゼンチン アンバト考古学博物館(南米大陸の古代楽器の実演と解説)
・東京音楽大学(アルゼンチン音楽に関する講義)
・東京医科歯科大学(ケーナの歴史とその世界音楽史における位置づけに関する特別講義)
・桜美林大学(ポピュラー音楽論) 他
《テレビ&ラジオ出演》
・NHK BS『地球テレビエル・ムンド』特集
・アルゼンチン 国営ラジオ
・コロンビア 国営ラジオ 他
《録音作品》
■Quique Sinesi & Hikaru Iwakawa "deseo" (2014)※
■Hikaru Iwakawa Trio "primero" (2014)※
■Serkan Yilmaz & Hikaru Iwakawa "amalgama" (2015)※
■Hikaru Iwakawa Trio "SEGUNDO" (2016)※
■Hikaru Iwakawa "SOLO" (2016)※
■P∆JARO + Hikaru Iwakawa "Líneas Ley" (2017)
・Bandcamp月間ベスト・ジャズ・アルバム選出
■Hikaru Iwakawa & Esteban Valdivia "amapola" (2017)
■Hikaru Iwakawa "Johann Sebastian BACH : 3 SUITES (BWV1007-1009)" (2017)※
・アルゼンチン最有力クラシック専門誌「Música Clásica BA」にて年間ベスト10入り。ケーナによるアルバムとしては史上初。
・アルゼンチン国営ラジオにて特集。
■Hikaru Iwakawa "Futurista Ancestral" (2019)
■Shikou Ito & Hikaru Iwakawa "TUPANANCHISKAMA" (2019)※
・アルゼンチン国営ラジオにて特集。
■Quique Sinesi & Hikaru Iwakawa "UTA" (2019)※
■Hikaru Iwakawa "Baroquena" (2020)
■Hikaru Iwakawa "Homenajes" (2020)
■Takeshi OBANA & Hikaru IWAKAWA "carta" (2022)
■HIKARU IWAKAWA TRIO "TRUCHO SANTO" (2022)
※月刊「ラティーナ」年間ベスト盤選出、CDジャーナルほか掲載
《音楽参加・一部作曲(テレビ、ラジオ及び舞台)》
・NHK 大河ドラマ「光る君へ」(2024)
・NHKスペシャル「天皇が創った至宝 ~正倉院宝物が伝える日本誕生~」(2019)
・NHK連続テレビ小説「スカーレット」(2019)
・NHKスペシャル「スペース・スペクタクル 」(2019)
・新国立劇場バレエ「Dance to the Future 2019」
・セルリアンタワー能楽堂 伝統と創造シリーズ vol.10 「HANAGO」(2019)
・NHKスペシャル「人類誕生」(2018)
・TBSアニメ「されど罪人は竜と踊る」(2018)
・NHK土曜時代ドラマ「アシガール」(2017) 他
《共演歴》
故ラモン・アジャラ、故ハイメ・トーレス、故ホルヘ・クンボ、ディノ・サルーシ、フアン・ファルー、キケ・シネシ、ダニエル・ミル、モノ・フォンタナ、カルロス・アギーレ、カペラ・メディテラネア、つのだたかし、タブラトゥーラ、レオナルド・ガルシア・アラルコン、キト・ガト、ミゲル・デ・オラソ 他
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